老健忘備録

老健の人になって、早や20日ほど過ぎました。

この間、一度も笑顔は、見たことは、ありません。

いつも、不機嫌そうで、眉間にしわを寄せ、目が吊り上がっています。

普通の会話は、ほぼ無理。

「家に帰る」

「こんなとこにいても、時間の無駄」

「どうせ、あんたらが入れたんだろ」

「これ(胃瘻)だって、あんたらが勝手に決めてつけたんでしょ」

「薄情者!」

「鬼!」

これは、毎回のご挨拶代わり。

 

今までの腎臓に加え、二度、急性の心不全を起こしたので、水分制限があります。

それでも、1日1.5㍑だから、そんなに厳しい制限では、ない。

ただ、胃瘻で入れる分も含まれるので、口から摂取する分は、少なくなる。

でも、それを説明しても、わからない。

「ほかの人は、好きなだけ、飲んでるのに」

「私だけ、なぜ、飲ませてくれないの!」

「(スタッフに)あんたら、意地悪やな」

 

相変わらず、リハビリで、どんなに自分が頑張っているか。

どんなに自分が歩けるか。

そればかり、繰り返す。

確かに、ベッドから自分で起き上がって、座る姿勢になれるようになった。

手を添えれば、車いすに移乗できるようになった。

それでも、歩けるわけでは、なく。

移動は、車いすだけ。

でも、どうやら、日中は、勝手に車いすに乗って、トイレに行ってる模様。

「のどが乾いた」

「お茶がほしい」

でも、少ししか、くれない。

どうやら計算すると、お茶として飲めるのは、1日300ccらしい。

それを6回に分けて、出してくれてる様子。

その要求が、ある日、ぴたっと止まったらしい。

4人部屋に1つ、洗面所があるのですが、老健の人のベッドの隣。

どうも、そこの水道水を飲んでる模様。

老健側から、現場を見つけたら、やめさせましょうか?と言われたけど。

また、叫ぶだけなので、お任せしますと伝えた。

仮にそれで、体に支障が起きても、かまわないとも伝えた。

その後、どうなったのか、わからない。

今も、飲み続けてるのかな。

 

今の状態が続くなら、家族としては、会いに行くのが苦痛。

もう少し、穏やかに過ごせないだろうか。

精神安定剤を使うなど、考えてほしいと伝えた。

結果。

かえって、家族が行かない方が比較的穏やかなので、通院以外、行かないことにした。

スタッフ側からは、その間、少し休んでください、と言われた。

確かに、ここ数年、同じことを繰り返してるので、お任せしようと思う。

 

ちなみに。

スタッフが老健の人に尋ねると、「息子が2人」いるそうな。

「まったく気が利かん息子が2人」だそうな。